介護分野は特定技能1号の現在受入れ可能な16分野のひとつで(2026年1月に3分野追加が決定し計19分野・新3分野は2027年頃開始見込み)、深刻な人手不足が続く介護・障害福祉の現場において外国人材の活用を可能にする在留資格です。所管省庁は厚生労働省です。
介護分野の特定技能は、他分野と比べていくつかの固有の特徴があります。①必要な試験が3種類(他分野は2種類)、②事業所単位の人数枠がある、③特定技能2号が設けられていない、④訪問系サービスは現時点で対象外、という点が主な相違点です。これらについて以下で詳しく解説します。
特定技能1号(介護)を取得するには、以下の3種類の試験への合格が必要です。
| 試験 | 内容 | 実施機関 |
|---|---|---|
| 介護技能評価試験 | 介護の知識・技術(身体介護の基本・介護過程等) | 厚生労働省(試験実施:プロメトリック株式会社) |
| 介護日本語評価試験 | 介護現場で必要な日本語(介護に特化した語彙・表現) | 厚生労働省(試験実施:プロメトリック株式会社) |
| 日本語試験 | JFT-Basic(国際交流基金日本語基礎テスト)またはJLPT N4以上 | 国際交流基金 / 日本国際教育支援協会 |
他の15分野では技能試験と日本語試験(JFT-BasicまたはJLPT N4)の2種類で足りますが、介護分野のみ「介護日本語評価試験」が追加されます。これは利用者・家族との日常的なコミュニケーションが特に重要な業務であることを踏まえたものです。
以下に該当する方は、一部または全部の試験が免除されます。
自社の技能実習生を移行する場合:介護分野の技能実習2号を良好に修了した実習生であれば、試験なしで特定技能(介護)への変更が可能です。紹介手数料・渡航費が不要なため、コストを抑えやすい経路です。
特定技能(介護)で従事できる業務は、以下のとおりです。
施設介護(特別養護老人ホーム・介護老人保健施設・認知症グループホーム等)や通所介護(デイサービス)など、施設・通所系の介護事業所での就労が対象です。
重要:現時点では、訪問介護・訪問入浴介護などの訪問系サービスへの従事は特定技能(介護)の対象外とされています。ただし、制度の見直しや要件の変更に関する議論が継続的に行われています。訪問系サービスでの活用を検討している場合は、出入国在留管理庁および厚生労働省の最新情報をご確認ください。
介護分野の特定技能1号には事業所単位の人数枠が設けられています。
受入れ人数の上限は、事業所の常勤介護職員の総数までです。たとえば、常勤の介護職員が15名在籍している事業所では、特定技能1号(介護)の外国人を最大15名受け入れることができます。
なお、この人数枠はEPA介護福祉士候補者や技能実習生(介護)とは別に計算されます。詳細な算定方法は厚生労働省の関係通知で確認してください。
介護分野で特定技能外国人を受け入れる事業所は、全分野共通の要件に加えて、以下の分野固有の要件を満たす必要があります。
受入れ機関全般の要件(欠格事由・雇用契約条件・支援体制等)については「特定技能の受け入れ要件【企業側の条件・2026年版】」をご覧ください。
介護分野の採用コスト(海外新規・国内在留・技能実習移行)を経路別に無料試算できます。
特定技能の採用コストを無料試算する →介護分野の採用費用は採用経路によって異なります。以下はあくまでも目安です。実際の費用は採用先の国・地域・委託先・事業所の所在地等によって変わります。
| 費用項目 | 目安額(1名) |
|---|---|
| 人材紹介・送り出し機関手数料 | 30〜100万円 |
| 在留資格申請費(行政書士報酬) | 10〜15万円 |
| 渡航費・住居初期費用等 | 15〜45万円 |
| 登録支援機関 支援委託費(年額) | 24〜36万円 |
| 費用項目 | 目安額(1名) |
|---|---|
| 人材紹介手数料 | 0〜80万円 |
| 在留資格変更申請費 | 5〜15万円 |
| 登録支援機関 支援委託費(年額) | 24〜36万円 |
| 費用項目 | 目安額(1名) |
|---|---|
| 在留資格変更申請費 | 10〜15万円 |
| 住居費(継続の場合は追加なし) | 0〜10万円 |
| 登録支援機関 支援委託費(年額) | 24〜36万円 |
費用の詳細な内訳や試算は「特定技能の採用費用はいくら?経路別に徹底解説」および無料試算ツールをご活用ください。
自社で介護分野の技能実習生を受け入れており、技能実習2号を良好に修了した場合、特定技能(介護)1号への移行が試験免除で可能です。これがコストを抑えやすい経路です。
主なメリットは以下のとおりです。
移行手続きの詳細は「技能実習から特定技能への移行ガイド」をご覧ください。
介護分野には特定技能2号が設けられていません。他の15分野では2号への移行により在留期間の上限なく就労継続できますが、介護分野はこのルートが存在しません。
介護分野での長期就労を目指す外国人は、在留資格「介護」(介護福祉士国家試験に合格した場合に取得可能)への移行が主なルートとなっています。特定技能1号(介護)の通算在留上限は5年であり、その間に介護福祉士資格の取得を目指す方もいます。採用後のキャリア形成について外国人と対話することが、長期的な定着につながります。