📌 この記事のポイント
- 特定技能外国人の報酬は「同等の業務に従事する日本人と同等額以上」が法令上の要件で、地域別最低賃金以上は当然。雇用形態は原則フルタイム。
- 給料の水準は分野・勤務地(地域別最低賃金)・経験や技能・各種手当の4要素で変わる。フルタイム月給はおおむね18〜30万円程度の範囲となることが多いとされる(目安・断定ではない)。
- 給与(本人へ支払う報酬)と採用にかかる費用(紹介手数料・在留資格申請費・登録支援委託費等)は別物。登録支援委託費の目安は月2〜3万円/人。
- 「特定技能だから給料を安くできる」は誤り。人件費の最適化は給与引き下げではなく採用経路の選択(技能実習からの移行など)で図るのが適切。
1. 特定技能外国人の給料の基本ルール
特定技能外国人に支払う報酬額は、「同等の業務に従事する日本人と同等額以上」であることが法令上の要件です(特定技能雇用契約の基準)。地域別最低賃金以上であることは当然として、実質的に差別的な低い水準を設けることは認められていません。
雇用形態は原則フルタイム(所定労働時間が同一事業所の日本人と同等)です。
「特定技能だから給料を安くできる」という考え方は誤りです。給与は日本人と同等以上が要件であり、人件費の最適化は給与の引き下げではなく採用経路の選択で図るのが適切です(後述)。
雇用契約の要件の詳細は特定技能の受け入れ要件【企業側の条件・2026年版】を参照してください。
2. 給料の水準を左右する4つの要素
- ①分野:業務の専門性・人手不足の度合いにより水準が異なります。
- ②勤務地:給与の下限は勤務地の地域別最低賃金に左右されます。最低賃金は毎年改定されるため、最新額は厚生労働省の公表情報でご確認ください。都市部と地方で差が出ます。
- ③経験・技能:実務経験者や、より高い技能が求められる特定技能2号の人材は水準が高くなる傾向があります。
- ④各種手当:夜勤手当・残業手当・資格手当などは、日本人従業員と同じ基準で適用されます。
3. 給料の相場の考え方(目安)
月給の下限は「勤務地の地域別最低賃金 × 所定労働時間」で算出できます。たとえば時給1,050円・月170時間の勤務なら、月給は約17.8万円が下限の目安です(地域別最低賃金は地域・年度により異なります)。
【注意】以下はあくまで一般的な目安です。実際の給与額は、勤務地の地域別最低賃金・自社の賃金規程・本人の経験や技能により決まります。最低賃金は毎年改定されるため、最新額は厚生労働省でご確認ください。断定的な金額ではありません。
フルタイム勤務の月給は、分野・地域・経験により幅がありますが、おおむね18〜30万円程度の範囲となることが多いとされています。これに加えて残業・夜勤等の手当が支給される場合があります。
分野ごとの仕事内容や受入れ状況は「特定技能の対象分野一覧【16分野+新3分野で計19分野】」で確認できます。
給与はあくまで本人へ支払う報酬であり、採用にかかる費用とは別であることを次章で説明します。
4. 給料と「採用にかかる費用」は別物(総人件費の考え方)
給与(毎月本人へ支払う報酬)と、採用にかかる費用(人材紹介手数料・在留資格申請費・登録支援機関への委託費・渡航費等)は別物です。
| 総人件費の内訳 |
備考 |
| ①毎月の給与(本人へ) |
日本人と同等以上が要件 |
| ②社会保険料の会社負担分 |
健康保険・厚生年金・雇用保険・労災保険 |
| ③登録支援機関への支援委託費(委託する場合) |
月2〜3万円/人が目安 |
| ④採用時の一時費用 |
紹介手数料・在留資格申請費等 |
採用にかかる費用の内訳は特定技能の採用費用はいくら?経路別に徹底解説で、経路別の概算は無料の採用コスト試算ツールでご確認いただけます。
5. 社会保険・税金・手取り
特定技能外国人も日本人と同様に、健康保険・厚生年金・雇用保険・労災保険などの社会保険、および所得税・住民税が適用されます。
手取り額は、額面給与から社会保険料・税金を控除した金額です。控除の内容は外国人本人が理解できるよう、母国語等で説明することが望ましいとされています。
6. 人件費を適正に抑える考え方
給与を日本人より低くして人件費を抑えることはできません(同等以上が要件・違法リスク)。
適正な最適化は採用経路の選択です。自社で受け入れている技能実習生からの移行は、紹介手数料・渡航費がかからず初期コストを抑えられます。詳しくは技能実習から特定技能への移行ガイドをご覧ください。
また、定着率を高めて早期離職による再採用コストを防ぐことも重要です。登録支援機関の定着支援については登録支援機関とは?費用・選び方・自社支援との違い【企業向け2026年】を参照してください。
給与そのものを引き下げることはできませんが、採用・受入れにかかる費用の一部を国の助成金・補助金で軽減できる場合があります。詳しくは「外国人雇用に使える助成金・補助金まとめ」をご覧ください。
7. よくある質問
特定技能外国人の給料は日本人より安くしてよいですか?
いいえ。報酬額は同等の業務に従事する日本人と同等額以上であることが法令上の要件です。地域別最低賃金以上であることはもちろん、実質的に差別的な低い水準を設けることは認められていません。
特定技能外国人の給料の相場はどのくらいですか?
分野・勤務地・経験により幅がありますが、フルタイム勤務の月給はおおむね18〜30万円程度の範囲となることが多いとされています。あくまで目安であり、実際の額は地域別最低賃金・自社の賃金規程・本人の経験等に基づいて決まります。最低賃金は毎年改定されるため、最新額は厚生労働省でご確認ください。
特定技能だと人件費を安く抑えられますか?
給与を日本人より低く設定して人件費を抑えることはできません(同等以上が要件です)。人件費の最適化は給与の引き下げではなく採用経路の選択で図るのが適切です。たとえば自社の技能実習生からの移行は紹介手数料・渡航費がかからず、初期コストを抑えられます。
給料のほかに会社が負担する費用はありますか?
毎月の給与に加え、社会保険料の会社負担分、登録支援機関に委託する場合の支援委託費(月2〜3万円/人が目安)、採用時の紹介手数料や在留資格申請費などがかかります。総人件費として把握することが重要です。
特定技能外国人にも社会保険や税金は適用されますか?
はい。特定技能外国人も日本人と同様に、健康保険・厚生年金・雇用保険・労災保険などの社会保険、および所得税・住民税が適用されます。手取り額は額面からこれらを控除した金額になります。
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本記事は一般的情報であり個別の法的助言ではありません。給与・社会保険・税の取扱いや最低賃金は改定される場合があるため、最新情報は厚生労働省・出入国在留管理庁の公表情報をご確認ください。金額はあくまで目安であり、実際の額は個社の条件・勤務地・経験等により異なります。