建設分野で特定技能外国人を採用するには?
要件・試験・費用【2026年・企業向け】

公開日:2026年6月12日 | 出典:出入国在留管理庁・国土交通省

1. 建設分野の特定技能とは

建設分野は特定技能1号の対象16分野のひとつで(2026年1月に3分野追加が決定し計19分野・新3分野は2027年頃開始見込み)、建設業界の深刻な担い手不足を背景に設けられました。所管省庁は国土交通省です。

建設分野は特定技能の中でも「要件が多く、費用も高め」という点で他分野と大きく異なります。具体的には、①JAC(一般社団法人建設技能人材機構)への加入と受入負担金の支払い、②建設キャリアアップシステム(CCUS)への登録、③国土交通省への「建設特定技能受入計画」の認定申請、④報酬は月給制かつ同等以上、⑤人数枠あり(常勤職員数まで)、という固有要件が課されています。これらすべてを満たすことが受入れの前提です。

一方で、建設分野では特定技能2号も設けられており、高い技能を証明すれば在留期間の上限なく就労継続が可能(家族帯同も可能)という点は、長期的な人材確保の観点から大きなメリットになり得ます。

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2. 業務区分(土木・建築・ライフライン設備)

建設分野の特定技能は、2022年の制度見直しにより業務区分が再編されました。現在は以下の3区分に整理されています。

業務区分 主な業務内容
土木 型枠施工、コンクリート圧送、トンネル推進工、建設機械施工、土工、鉄筋施工(土木)、港湾荷役など
建築 型枠施工、左官、コンクリート圧送、屋根ふき、電気通信、鉄筋施工(建築)、内装仕上げ、表装(壁紙貼り付け等)、熱絶縁工事など
ライフライン・設備 電気工事、配管、電気通信工事、消防施設工事など

受け入れる外国人が従事する業務がいずれの区分に該当するかを確認し、その区分に対応した技能試験への合格が必要です。1人の外国人が複数区分の業務に従事することも、要件を満たせば可能です。詳細な業務の範囲は国土交通省の運用要領をご確認ください。

3. 必要試験

建設分野の特定技能1号を取得するには、以下の試験への合格が必要です。

試験 内容・実施概要
建設分野特定技能1号評価試験 業務区分(土木/建築/ライフライン設備)ごとに実施。国内外で実施。JACが試験実施に関与
日本語試験 JFT-Basic(国際交流基金日本語基礎テスト)またはJLPT N4以上

建設分野の技能試験は業務区分別に実施されます。就労させたい業務区分に対応した試験に合格していることが必要です。試験の日程・受験方法・実施国については国土交通省またはJACの公表情報でご確認ください。

4. 試験免除ルート

以下に該当する方は、技能試験・日本語試験が免除されます。

自社の技能実習生を移行する場合:建設分野の対応職種で技能実習2号を良好に修了した実習生であれば、試験なしで特定技能(建設)への変更が可能です。紹介手数料・渡航費が不要なため、初期コストを抑えられる経路です。ただし建設分野固有のJAC負担金・CCUS登録・受入計画認定は移行ルートでも必要です。

5. 建設固有の受入れ要件(JAC・CCUS・受入計画)

建設分野の特定技能外国人を受け入れるには、全分野共通の要件に加えて、以下の建設固有の要件をすべて満たす必要があります。他分野にはない要件であり、事前の準備期間を十分に確保することが必要です。

① JACへの加入と受入負担金の支払い

一般社団法人建設技能人材機構(JAC)に加入し、受入れ人数に応じた受入負担金を支払うことが必要です。JACは建設分野の特定技能外国人の海外試験実施・技能向上支援・帰国支援などを担う機関です。

JACへの加入は受入れ前に必要であり、正会員(建設業者団体)または賛助会員(個別の建設企業)として加入する形態があります。受入負担金の金額・支払い方法はJACの規程で定められており、最新情報はJAC公式サイト(jac-skill.or.jp)をご確認ください。

② 建設キャリアアップシステム(CCUS)の登録

建設キャリアアップシステム(CCUS)は、建設技能者の就業履歴・保有資格等を蓄積・管理するシステムです。受入れ機関(建設企業)および受け入れる特定技能外国人の双方がCCUSに登録し、就業履歴を蓄積していくことが求められます。

③ 国土交通省への「建設特定技能受入計画」の認定

特定技能外国人を受け入れる前に、国土交通省に「建設特定技能受入計画」を申請し、認定を受けることが必要です。この計画には、受入れる外国人の情報・業務内容・報酬・キャリアアップの見通しなどを記載します。計画の認定には一定の審査期間が必要なため、採用のスケジュールを立てる際には余裕を持った準備が求められます。

④ 建設分野の分野別協議会(国交省)への加入

受入れ後4か月以内に、国土交通省が設置する建設分野の分野別協議会に加入する必要があります。

注意:上記の建設固有要件(JAC加入・CCUS登録・受入計画認定)は、技能実習からの移行であっても省略できません。採用を検討している場合は、計画認定に要する期間を見込んで早めに準備を開始することをお勧めします。

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6. 月給制の要件

建設分野では、特定技能外国人の報酬は月給制でなければならないとされています。日給・時給・週給などの給与形態は認められておらず、月給制が必須です。これは他の15分野にはない建設分野固有の要件です。

月給の額は、同等の業務に従事する日本人と同等以上であることが必要です。また、建設特定技能受入計画の中で報酬額を明記し、国土交通省の確認を受けることになります。給与規程や雇用契約書を整備する際は、月給制であることと同等以上の水準を明確に示すことが必要です。

7. 人数枠

建設分野の特定技能1号には人数枠が設けられています。受入れ人数の上限は、受入れ機関の常勤職員(技能者)の総数までです。

たとえば、常勤の職員が30名在籍する建設会社では、特定技能1号(建設)の外国人を最大30名まで受け入れることができます。なお、技能実習生の人数とは別に計算されます。詳細な算定方法は国土交通省・JACの関係通知で確認してください。

建設分野は人数枠がある点で農業・漁業・介護などと同様であり、大量採用を計画している場合は自社の常勤職員数から上限を事前に確認しておくことが重要です。

8. 費用の目安(他分野より高め)

建設分野の採用費用は、JAC受入負担金・建設特定技能受入計画の申請費用などが加わるため、他分野と比べて高めになる傾向があります。以下はあくまでも目安です。実際の費用は採用先の国・地域・委託先・個社の条件等により異なります。 建設の採用費用(JAC負担金を含む)を試算すると、経路別の初年度総額の目安を確認できます。

海外からの新規採用 約100〜230万円/人(初年度)
費用項目目安額(1名)
人材紹介・送り出し機関手数料30〜100万円
在留資格申請費(行政書士報酬)10〜15万円
渡航費・住居初期費用等15〜45万円
JAC受入負担金(年額・目安)15〜30万円程度
建設特定技能受入計画申請費5〜10万円程度
登録支援機関 支援委託費(年額)24〜36万円
国内在留者の採用 約65〜175万円/人(初年度)
費用項目目安額(1名)
人材紹介手数料0〜80万円
在留資格変更申請費5〜15万円
JAC受入負担金(年額・目安)15〜30万円程度
建設特定技能受入計画申請費5〜10万円程度
登録支援機関 支援委託費(年額)24〜36万円
技能実習(建設対応職種)からの移行 約55〜110万円/人(初年度)
費用項目目安額(1名)
在留資格変更申請費10〜15万円
JAC受入負担金(年額・目安)15〜30万円程度
建設特定技能受入計画申請費5〜10万円程度
登録支援機関 支援委託費(年額)24〜36万円

JAC受入負担金の額は受入れ人数・加入形態等によって異なります。最新の金額はJACの公式サイトでご確認ください。費用の詳細な内訳や試算は「特定技能の採用費用はいくら?経路別に徹底解説」および無料試算ツールをご活用ください。

9. 特定技能2号(建設)

建設分野には特定技能2号が設けられています。2号を取得すると在留期間の更新に上限がなくなり、家族帯同も可能になります。2号の取得には熟練した技能の証明(建設分野特定技能2号評価試験への合格等)が必要です。

建設分野で長期的に外国人材を活用したい場合、1号(最長5年)から2号への移行を視野に入れたキャリア設計を、採用時点から行っておくことが定着率向上につながると考えられます。ただし2号取得の要件詳細は国土交通省・出入国在留管理庁の最新情報をご確認ください。

10. よくある質問

建設分野の特定技能外国人を受け入れるにはJACに加入しなければなりませんか?
はい、建設分野(特定技能)の受入れ機関は、一般社団法人建設技能人材機構(JAC)に加入し、受入負担金を支払うことが必要とされています。JACへの加入は他分野にはない建設固有の要件です。受入負担金の額や支払い方法はJACの規程で定められていますので、最新情報はJACの公式サイトをご確認ください。
建設分野の特定技能1号の人数枠はどのように計算しますか?
建設分野の特定技能1号には、受入れ機関の常勤職員(技能者)の総数までという人数枠が設けられています。たとえば常勤職員が20名の建設会社では、特定技能1号(建設)の外国人を最大20名まで受け入れることが可能です。この人数枠は技能実習生とは別に計算されます。
建設分野の特定技能外国人の給与形態に制約はありますか?
建設分野では、特定技能外国人の報酬は月給制でなければならないとされています。日給・時給・週給などの形態は認められておらず、月給制が必須です。これは他分野にはない建設分野固有の要件です。また、報酬額は同等の業務に従事する日本人と同等以上であることが求められます。
建設分野の特定技能には2号がありますか?
建設分野には特定技能2号が設けられています。高い技能を証明すれば在留期間の上限なく就労を継続でき、家族帯同も可能になるため、長期的な人材確保の観点で大きなメリットになり得ます。
自社の技能実習生を建設分野の特定技能へ移行する場合、試験は免除されますか?
建設分野の対応職種で技能実習2号を良好に修了した実習生であれば、技能試験・日本語試験が免除され、試験なしで特定技能(建設)へ変更できます。ただし建設分野固有のJAC負担金・CCUS登録・受入計画の認定は移行ルートでも必要です。
当サイト(株式会社MRI)の役割について
当社(株式会社MRI)は行政書士・弁護士ではありません。在留資格申請の代理・書類作成・申請取次は行わず、実際の手続は提携の申請取次行政書士/弁護士が、受入れ企業との直接の契約に基づき承ります(当社は当該受任契約の当事者ではありません)。在留資格の可否は審査機関の判断によるもので、許可を保証するものではありません。人材のご紹介は、許可を受けた人材会社・登録支援機関・行政書士等の専門事業者をご案内するもので、当社は職業紹介を行う事業者ではなく、職業紹介自体は許可を受けた当該事業者が行います。当社はご紹介に際し、人材会社・登録支援機関等から固定の送客手数料・広告掲載料を受領する場合があります(提携の行政書士・弁護士から紹介の対価は受領しません)。この送客手数料・広告掲載料は固定額であり、採用の成否・採用人数・成約に連動する成果報酬ではありません。試算結果は概算の情報提供であり法的助言ではありません。詳しくは利用規約をご覧ください。

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本記事は一般的情報であり個別の法的助言ではありません。最新の制度は出入国在留管理庁および国土交通省の公表情報をご確認ください。出典:出入国在留管理庁・国土交通省・一般社団法人建設技能人材機構(JAC)。JAC受入負担金の額・建設特定技能受入計画の認定基準等は制度改正により変わる場合があります。費用はあくまで目安であり、実際の費用は個社の条件・委託先・為替等により異なります。