特定技能1号の対象分野は、2024年の制度改正により従来の12分野から16分野へ拡大されました。自動車運送業・鉄道・林業・木材産業の4分野が新設され、旧「素形材産業」「産業機械製造業」「電気電子情報関連産業」の3分野が「工業製品製造業」に統合されています。
さらに2026年1月23日の閣議決定により、リネンサプライ・物流倉庫・資源循環の3分野の追加が決定し、制度上の対象分野は計19分野となりました。ただし新3分野は技能試験等の受入れ基盤を整備中であり、受入れ開始は2027年頃の見込みです。2026年6月時点で実際に特定技能外国人を受け入れ可能なのは従来の16分野です。
特定技能は人手不足が深刻な産業分野に限定した在留資格であり、各分野には所管省庁の定める業務区分や要件があります。企業が外国人を受け入れる際は、自社の業務が対象分野の業務区分に該当するかを、所管省庁のガイドラインで確認することが必要です。
2026年6月時点で実際に受け入れ可能な16分野の主な業務・必要試験・雇用形態の特徴をまとめます。試験名は出入国在留管理庁の公表情報に基づいています。
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| # | 分野名 | 主な業務 | 技能試験 | 特徴・備考 |
|---|---|---|---|---|
| ① | 介護 | 身体介護(入浴・食事・排泄介助等)・付随業務 | 介護技能評価試験+介護日本語評価試験(別途) | 日本語試験に加え介護日本語評価試験も必要。訪問系サービスは対象外。人数枠あり(事業所単位) |
| ② | ビルクリーニング | 建築物内部の清掃(床・窓・トイレ等) | ビルクリーニング分野特定技能1号評価試験 | 所管:国土交通省 |
| ③ | 工業製品製造業 | 金属プレス・鍛造・溶接・機械加工・電気機器組立等の製造業務 | 製造分野特定技能1号評価試験(業務区分別) | 2024年に旧「素形材産業」「産業機械製造業」「電気電子情報関連産業」の3分野を統合。業務区分が多岐にわたる |
| ④ | 建設 | 型枠施工・左官・配管・電気工事・土工等の建設作業 | 建設分野特定技能1号評価試験 | JAC(建設技能人材機構)加入・建設キャリアアップシステム登録・国交省の受入計画認定が必要。人数枠あり |
| ⑤ | 造船・舶用工業 | 溶接・塗装・鉄工・仕上げ・機械加工等の船舶製造・修理 | 造船・舶用工業分野特定技能1号試験 | 所管:国土交通省 |
| ⑥ | 自動車整備 | 自動車の点検・分解整備・板金塗装等 | 自動車整備分野特定技能評価試験 | 所管:国土交通省。整備工場の人員として従事 |
| ⑦ | 航空 | 空港グランドハンドリング・航空機整備補助 | 航空分野特定技能1号評価試験 | 所管:国土交通省。空港地上業務が主な対象 |
| ⑧ | 宿泊 | フロント・企画・広報・接客・レストランサービス等 | 宿泊業技能測定試験 | 所管:観光庁。ホテル・旅館等の対人サービス |
| ⑨ | 自動車運送業2024新設 | トラック・バス・タクシー等の旅客・貨物運送業務 | 自動車運送業分野特定技能評価試験 | 所管:国土交通省。第二種免許など別途要件あり(最新情報を出入国在留管理庁で確認) |
| ⑩ | 鉄道2024新設 | 軌道保守管理・電気設備保守・車両整備等 | 鉄道分野特定技能評価試験 | 所管:国土交通省。運転士業務は対象外(保守・整備等が主) |
| ⑪ | 農業 | 耕種農業(野菜・果樹・花き等の栽培)・畜産農業 | 農業技能測定試験 | 農業・漁業の2分野のみ派遣形態が可(他分野は直接雇用) |
| ⑫ | 漁業 | 漁船漁業・養殖業 | 漁業技能測定試験 | 農業と同様、派遣形態が可。所管:水産庁 |
| ⑬ | 飲食料品製造業 | 農産物漬物・惣菜・パン・菓子・飲料等の製造・加工 | 飲食料品製造業技能測定試験 | 食品製造全般が対象。品目によって業務区分が異なる場合がある |
| ⑭ | 外食業 | 飲食物の調理・接客・店舗管理補助 | 外食業技能測定試験 | 所管:農林水産省。レストラン・ファストフード等が対象。【重要】2026年4月13日(受理日基準)から新規受入れ原則停止(受入れ見込み数の上限到達見込み)。更新・同分野内転職は可。新規採用の可否は出入国在留管理庁で要確認。 |
| ⑮ | 林業2024新設 | 育林(植栽・下刈・除伐・間伐等)・伐木造材 | 林業分野特定技能評価試験 | 所管:林野庁。山林での作業が主体。安全衛生の要件に留意 |
| ⑯ | 木材産業2024新設 | 木材の加工・製材・集成材製造・合板製造等 | 木材産業分野特定技能評価試験 | 所管:林野庁。木材加工工場での製造業務 |
※分野によっては受入れ見込み数の上限到達で新規受入れが停止される場合があります(外食業=2026年4月停止、飲食料品製造業=上限接近)。最新は出入国在留管理庁で確認を。外食業の停止と代替の選択肢は「外食業で特定技能外国人を採用するには(新規受入れ停止)」で詳しく解説しています。
2024年の閣議決定により、以下4分野が特定技能1号の対象として新たに加わりました。
これら4分野は制度運用の詳細が引き続き整備されている部分もあります。受入れを検討する場合は、出入国在留管理庁および所管省庁の最新情報を必ずご確認ください。
2026年1月23日の閣議決定により、以下の3分野が特定技能1号の対象分野として追加されることが決まりました。ただし、いずれの分野も技能試験・受入れ基準等の整備が進められており、実際の受入れ開始は2027年頃の見込みです。現時点では採用・就労の受付は始まっていません。
⚠ 注意:新3分野は2026年6月時点で受入れ不可。採用・在留資格申請は2027年頃の受入れ開始後に対応予定です。
受入れ時期・試験・業務区分の詳細は、出入国在留管理庁および各所管省庁の最新情報を必ずご確認ください。
特定技能1号を取得するには、対象分野の技能評価試験と日本語試験の両方に合格することが原則です。
「国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)」または「日本語能力試験(JLPT)N4以上」のいずれかに合格する必要があります。介護分野ではこれに加えて介護日本語評価試験への合格も求められます。
各分野の所管省庁・業界団体が実施する分野別の評価試験です。分野によっては複数の業務区分(例:工業製品製造業)があり、就労する業務内容に対応した区分の試験に合格する必要があります。
技能実習2号を良好に修了した方が対応する分野に移行する場合、技能試験・日本語試験が免除されます。また、EPA(経済連携協定)に基づく介護福祉士候補者等にも免除ルートがあります。詳細は所管省庁の要件をご確認ください。
採用経路(海外新規・国内在留・技能実習移行)別に費用がどれくらい変わるか確認してみましょう。
特定技能の採用コストを無料試算する →特定技能外国人の雇用形態は、原則として受入れ機関との直接雇用(フルタイム)です。ただし、農業・漁業については季節性や就労場所が広域にわたる業務の特性を考慮して、例外的に派遣形態での就労が認められています。
農業・漁業で派遣を活用する場合も、派遣元企業が特定技能の受入れ機関としての要件を満たす必要があります。その他14分野では、人材派遣会社から特定技能外国人を派遣する形態は認められていません。
特定技能2号は、介護分野を除く全15分野が対象です。2号を取得すると在留期間の更新に上限がなくなり、家族帯同も可能になります。ただし2号には熟練した技能の証明(技能試験合格等)が必要です。
介護分野に2号が設けられていない理由は、長期就労を希望する場合は在留資格「介護」(介護福祉士ルート)への移行を前提とした制度設計になっているためです。介護福祉士国家試験に合格することで、安定した長期就労が可能になります。
自社の業務が特定技能の対象に該当するかを確認する手順は以下のとおりです。
受入れ要件(欠格事由・支援体制・協議会加入等)の詳細は「特定技能の受け入れ要件【企業側の条件・2026年版】」をご覧ください。