特定技能の受け入れ要件
【企業側の条件・2026年版】

公開日:2026年6月12日 | 出典:出入国在留管理庁・厚生労働省

1. 受入れ機関(特定技能所属機関)とは

特定技能外国人を雇用する企業・事業者を「受入れ機関(特定技能所属機関)」と呼びます。受入れ機関は出入国管理及び難民認定法(入管法)で定められた要件を満たす必要があります。

要件は大きく①欠格事由に該当しないこと、②特定技能雇用契約の締結、③1号特定技能外国人支援計画の策定・実施、④分野別の上乗せ基準に整理できます。以下で各要件を詳しく解説します。

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2. 欠格事由

以下の欠格事由のいずれかに該当する場合、特定技能外国人を受け入れることができません。受入れ前に必ず確認してください。

要確認主な欠格事由
  • 出入国または労働関係法令に関し5年以内に違反した場合(刑事処分・行政処分を含む)
  • 暴力団員等、組織的な犯罪に関与している場合
  • 受入れ開始前1年以内に、同種業務に従事する日本人・特定技能外国人等を非自発的に離職させている場合
  • 受入れ開始前1年以内に、特定技能外国人または技能実習生の行方不明者を発生させている場合
  • 特定技能外国人のパスポート・在留カードを保管するなど、不当な拘束行為を行っている場合
  • 労働保険・社会保険・租税に関する法令を遵守していない場合
  • 支援計画を適正に実施できる体制がない場合

欠格事由の全体は出入国在留管理庁の公表する「特定技能外国人受入れに関する運用要領」で確認できます。申請前に自社の状況を専門の行政書士に確認することが望ましい場合があります。

3. 特定技能雇用契約の条件

受入れ機関は外国人と「特定技能雇用契約」を締結する必要があります。主な条件は以下のとおりです。

必須条件特定技能雇用契約の主な要件
  • 報酬額が同等の業務に従事する日本人と同等以上であること(最低賃金以上は当然として、実質的に差別的な低水準を設けることは認められない)
  • フルタイムの雇用であること(所定労働時間が同一事業所の日本人と同等)
  • 外国人が一時帰国を希望した場合に、有給休暇の取得等の措置を講ずること
  • 外国人が報酬を適切に受け取れるよう、口座振込等の手段を確保すること
  • 業務内容・報酬額・労働時間・休日・住居に関する事項等を明示した雇用条件書を作成すること

4. 支援体制の要件

特定技能1号外国人に対し、受入れ機関は1号特定技能外国人支援計画を策定し、計画に基づく義務的支援を実施しなければなりません。義務的支援の主な内容は以下のとおりです。

これらの支援は自社で実施するか、登録支援機関に全部委託するかを選択できます。登録支援機関への全部委託を選択した場合、支援計画の適正実施が認められるため、多くの企業が委託を活用しています。

5. 自社支援の基準

登録支援機関に委託せず自社で支援を実施する場合、以下の基準を満たす必要があります。

自社支援の要件
  • 支援責任者・支援担当者を選任していること(役員または社員の中から選任)
  • 支援担当者が、過去3年以内に中長期在留者の生活相談業務等に従事した経験を有すること、または、中長期在留者を受け入れて適正な雇用管理を行った実績があること(いずれかが必要)
  • 支援責任者・支援担当者が欠格事由に非該当であること
  • 所定の支援を実施できる体制(場所・資材・通訳手段等)を整備していること

自社支援の要件の詳細は出入国在留管理庁の運用要領で確認してください。初めて外国人を雇用する企業や、社内に支援経験者がいない場合は、登録支援機関への委託が現実的な選択肢です。

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6. 分野別の上乗せ要件

各分野の所管省庁が定める分野別運用要領には、全分野共通の要件に加えて分野固有の上乗せ基準があります。主な例は以下のとおりです。

建設分野

介護分野

その他分野共通

すべての分野で、受入れ開始後4か月以内に分野別協議会への加入が義務づけられています(建設は受入れ前に加入)。協議会への加入状況は出入国在留管理庁への届出に反映されます。

ポイント:分野別の上乗せ要件は制度改正や所管省庁のガイドライン更新により変わる場合があります。受入れを決定する前に、各分野の運用要領(出入国在留管理庁または所管省庁のウェブサイト)で最新情報をご確認ください。

7. 人数枠

特定技能外国人の受入れ人数は、原則として上限が設けられていません。要件を満たした企業であれば、必要な人数を受け入れることが可能です。

ただし、以下の分野については例外として人数枠があります。

また、国全体としての分野別の在留外国人数に関する管理は別途行われており、制度の動向によって変化する場合があります。受入れ計画段階で最新情報を確認することを推奨します。

8. 要件確認から採用までの流れ

要件確認から採用開始まで、おおよそ以下の手順で進みます。

  1. 自社の業務が対象分野に該当するかを確認(分野別運用要領を参照)
  2. 欠格事由の有無を確認(過去の法令違反・離職者・行方不明者等)
  3. 支援体制の方針を決定(自社支援 or 登録支援機関への委託)
  4. 分野別の上乗せ要件の確認と準備(建設:JAC加入・CCUS登録・計画認定等)
  5. 人材の確保(海外新規・国内在留・技能実習生移行)
  6. 特定技能雇用契約の締結・支援計画の策定
  7. 出入国在留管理庁への在留資格申請
  8. 就労開始・義務的支援の実施・定期届出

手続きの詳細は「特定技能の採用手続きの流れ【企業向け2026年版】」をご覧ください。

9. よくある質問

特定技能外国人の受け入れに人数枠はありますか?
分野によって異なります。多くの分野は人数枠が設けられておらず、要件を満たせば上限なく受け入れられます。ただし介護分野は事業所の常勤介護職員数を上限とする人数枠があり、建設分野も常勤職員数等に応じた人数枠があります。
自社の技能実習生に関連する欠格事由にはどのようなものがありますか?
受入れ機関の欠格事由として、受入れ開始の1年以内に同種業務での非自発的離職者を出したこと、または特定技能外国人・技能実習生の行方不明者を発生させていることが含まれます。該当する場合は受入れができないため、事前に確認が必要です。
登録支援機関に支援を委託しない場合、自社支援の要件は何ですか?
自社で1号特定技能外国人への義務的支援を行う場合、①支援責任者・支援担当者の選任、②支援担当者が過去3年以内に中長期在留者の生活相談業務等に従事した経験を有すること、または③中長期在留者を受け入れて適正に雇用管理した実績があること等の要件を満たす必要があります。要件の詳細は出入国在留管理庁の運用要領をご確認ください。
特定技能雇用契約ではどんな条件が必要ですか?
報酬額が同等業務の日本人と同等以上であること、フルタイム雇用であること、一時帰国を希望した場合に有給休暇の取得等の措置を講ずること、報酬を口座振込等で適切に支払うこと、業務内容・報酬・労働時間・休日・住居等を明示した雇用条件書を作成することなどが主な条件です。
受入れ機関が行う義務的支援にはどんなものがありますか?
事前ガイダンス、入国時の送迎、住居確保の支援、生活オリエンテーション、公的手続きへの同行、日本語学習機会の提供、相談・苦情対応(母国語対応含む)、日本人との交流促進、非自発的離職時の転職支援、定期面談と出入国在留管理庁への届出などです。これらは自社で実施するか登録支援機関に委託できます。
本記事は一般的情報であり個別の法的助言ではありません。最新の制度は出入国在留管理庁の公表情報をご確認ください。出典:出入国在留管理庁・厚生労働省・各所管省庁。要件の詳細は制度改正により変わる場合があります。