特定技能の採用手続きの流れ【企業向け2026年版】
7ステップで解説

公開日:2026年6月12日 | 出典:出入国在留管理庁・厚生労働省

1. 手続きの全体像と期間目安

特定技能外国人の採用は、大きく7つのステップで進みます。経路によって必要な手続きが異なり、かかる期間も変わります。

国内在留者の場合

  • 在留資格変更許可申請
  • 審査期間の目安:1〜2か月
  • 活動開始から就労まで全体で2〜4か月

海外からの新規の場合

  • 在留資格認定証明書交付申請→査証→入国
  • 認定証明書取得まで:1〜3か月
  • 入国まで全体で3〜6か月以上

採用計画を立てる際は、余裕を持ったスケジュールが重要です。特に初めて特定技能外国人を受け入れる企業は、書類準備・支援計画策定・協議会加入など社内手続きにも時間がかかります。

STEP1 分野・自社業務の該当性確認

1 分野・自社業務の該当性確認

まず自社の業務が特定技能の現在受入れ可能な16分野のいずれかに該当するかを確認します(2026年1月に3分野追加が決定し制度上は計19分野ですが、新3分野の受入れ開始は2027年頃の見込みのため現時点では対象外)。分野ごとに従事できる業務の範囲が定められており、分野内であっても一部の業務は対象外の場合があります。

各分野の詳細は所管省庁(農林水産省・国土交通省・厚生労働省等)が公表している「分野別運用要領」を参照してください。該当性が不明な場合は、特定技能専門の行政書士や登録支援機関に相談することをお勧めします。受入れ可能な全分野の一覧は特定技能の対象分野一覧【16分野+新3分野で計19分野】で確認できます。

  • 自社の主たる業務が対象分野の業務範囲に含まれるか確認
  • 分野別協議会への加入義務・手続きを事前把握
  • 建設分野はJAC加入と受入計画の国交省認定が必要(事前手続き)

STEP2 人材の確保

2 人材の確保

人材を確保する方法は主に3経路あります。

  • 自社の技能実習生からの移行:技能実習2号を良好に修了した実習生を継続雇用。試験免除・費用を抑えやすい。
  • 国内在留者の採用:技能試験合格者・他社の特定技能・留学生等を国内で採用。人材会社・求人媒体を活用。
  • 海外からの新規採用:送り出し機関を通じて海外から採用。対象国の条件を確認し、技能試験合格者または合格見込み者を採用。

どの経路を選ぶかは、採用コスト・採用時期・人材の質・自社の体制によって異なります。試算ツールで費用比較してから選択することをお勧めします。

3経路の採用コストを比較して、最適な経路を選びましょう。

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STEP3 特定技能雇用契約の締結

3 特定技能雇用契約の締結

採用が決まったら、特定技能雇用契約を締結します。通常の雇用契約に加えて、以下の点を明記する必要があります。

  • 報酬額:同等業務に従事する日本人と同等以上であること
  • 業務内容:特定産業分野における従事業務を具体的に記載
  • 労働時間・休暇:労働基準法に準拠した内容
  • 住居に関する事項:社宅提供の場合はその条件

雇用契約書は外国人本人が理解できる言語(母国語等)での説明が求められます。登録支援機関が翻訳・説明をサポートする場合も多いです。

STEP4 1号特定技能外国人支援計画の策定

4 1号特定技能外国人支援計画の策定

1号特定技能外国人を受け入れる場合、以下の義務的支援内容を盛り込んだ支援計画を策定しなければなりません。

  • 事前ガイダンス(労働条件・生活環境の説明)
  • 入国時の空港等への送迎
  • 住居の確保の支援
  • 生活オリエンテーション(銀行・スマートフォン・交通・医療等)
  • 公的手続き(住民登録・社会保険・税等)への同行
  • 日本語学習機会の提供
  • 相談・苦情対応(母国語対応)
  • 定期的な面談と出入国在留管理庁への報告

これらを自社で実施できる場合は社内で計画を策定します。実施が困難な場合は登録支援機関に委託できます(月2〜3万円/人の委託費が発生)。委託する場合は委託契約書の締結と支援計画の共有が必要です。登録支援機関の役割・費用相場・選び方の詳細は登録支援機関の費用相場・選び方をご参照ください。

STEP5 在留資格の申請

5 在留資格の申請
国内在留:審査 1〜2か月 海外新規:認定証明書取得 1〜3か月

国内在留者の場合(在留資格変更許可申請)

日本国内に在留中の外国人が現在の在留資格から特定技能へ変更する手続きです。申請先は対象者の住所地を管轄する地方出入国在留管理局(または出張所)です。

主な提出書類:特定技能雇用契約書・支援計画書・各種申請書・本人の技能試験合格証明・日本語試験合格証明(または技能実習修了証)・自社の決算書・保険加入証明等。

海外からの新規採用の場合(在留資格認定証明書交付申請)

海外に在住する外国人を呼び寄せる場合は、まず日本国内の受入れ機関が在留資格認定証明書(COE)の交付申請を行います。認定証明書が交付されたら相手国の日本大使館・領事館で査証(ビザ)を申請し、査証取得後に入国します。

認定証明書の有効期間は3か月ですので、入国タイミングの調整が必要です。

行政書士への依頼が一般的で、書類の正確な作成と漏れのない提出が許可取得の鍵です。

当サイト(株式会社MRI)の役割について:当サイトは情報提供と専門事業者のご紹介を行うものです。在留資格の申請取次・申請書類の作成は、行政書士法に基づき行政書士等の有資格者が行い、当社は行いません。人材のご紹介は許可を受けた事業者をご案内するもので、職業紹介自体は当該許可事業者が行います。詳しくは利用規約をご覧ください。

STEP6 就労開始・義務的支援の実施

6 就労開始・義務的支援の実施

在留資格の許可後、外国人の就労が開始します。就労開始後は策定した支援計画に従って義務的支援を実施する必要があります。

  • 入国直後の事前ガイダンス(就労・生活条件の詳細説明)の実施
  • 住居確保・生活オリエンテーションの実施
  • 市区町村での住民登録・社会保険等の手続き同行
  • 日本語学習のための情報提供・機会の確保
  • 定期面談(3か月に1回以上)の実施

登録支援機関に委託している場合は、委託先が各支援を実施しますが、受入れ機関(企業)が支援計画の実施に責任を持つことに変わりはありません。支援の実施状況は記録し、届出に備えましょう。

STEP7 出入国在留管理庁への定期届出・随時届出

7 定期届出・随時届出

受入れ機関(企業)は就労継続中、出入国在留管理庁へ以下の届出が義務づけられています。

定期届出(四半期ごと)

  • 受入れ状況の届出:雇用中の特定技能外国人の人数・国籍・在留期間満了日・就労状況等を報告
  • 支援実施状況の届出:各義務的支援の実施状況を報告

届出は各四半期終了後の翌月末(1月・4月・7月・10月末)が締切です。電子申請(在留申請オンラインシステム)での提出も可能です。

随時届出

以下の事由が発生した場合には、事由発生後14日以内に届出が必要です。

  • 特定技能外国人が退職・転職した場合
  • 住所が変更になった場合
  • 支援担当者が変更になった場合
  • 登録支援機関との委託契約が終了・変更になった場合

届出を怠ると改善命令・業務停止命令等の行政処分の対象になり得ます。管理体制の整備が重要です。

採用の流れを把握した上で、採用コストの試算もしておきましょう。

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よくある質問

特定技能の採用はどのくらいの期間がかかりますか?
在留資格変更(国内在留者)の場合は申請から許可まで1〜2か月が目安です。在留資格認定証明書(海外新規)の場合は申請から入国まで2〜4か月かかります。ただし、申請書類の準備期間や就労前の支援計画策定期間なども含めると、採用活動開始から就労開始まで3〜6か月以上見込むのが現実的です。
在留資格変更申請と認定証明書交付申請の違いは何ですか?
在留資格変更申請は、日本国内に在留している外国人が現在の在留資格から特定技能へ変更する手続きです。在留資格認定証明書(COE)交付申請は、海外に在住する外国人を呼び寄せる際に先に行う手続きで、認定証明書を取得後に相手国の日本大使館で査証(ビザ)を申請し、入国します。
四半期ごとの定期届出とは何を提出するのですか?
受入れ機関は、四半期(3か月)ごとに①受入れ状況の届出(雇用状況・特定技能外国人の人数等)と②支援実施状況の届出を出入国在留管理庁へ提出する義務があります。退職・住所変更・支援担当者の変更等が生じた際には随時届出も必要です。未届出や虚偽報告は行政処分の対象になり得ます。
特定技能の採用手続きは何ステップに分かれていますか?
大きく7つのステップに分かれます。①分野・自社業務の該当性確認、②人材の確保、③特定技能雇用契約の締結、④1号特定技能外国人支援計画の策定、⑤在留資格の申請、⑥就労開始・義務的支援の実施、⑦出入国在留管理庁への定期届出・随時届出、の流れです。
特定技能雇用契約で報酬はどう定める必要がありますか?
報酬額は、同等の業務に従事する日本人と同等以上であることが必要です。あわせて業務内容・労働時間・休暇・住居に関する事項を明記し、外国人本人が理解できる言語で説明することが求められます。
本記事は一般的情報であり個別の法的助言ではありません。最新の制度は出入国在留管理庁の公表情報をご確認ください。出典:出入国在留管理庁・厚生労働省。