登録支援機関とは?費用・選び方・
自社支援との違い【企業向け2026年】

公開日:2026年6月12日 | 出典:出入国在留管理庁

1. 登録支援機関とは

登録支援機関とは、特定技能1号外国人を受け入れた企業(受入れ機関)に代わって、法律が定める義務的支援を実施する機関です。出入国在留管理庁(入管庁)に登録・審査された事業者のみが登録支援機関として活動できます。2026年時点で全国に約9,000機関が登録されており、行政書士事務所・人材会社・NPO法人・農業協同組合など多様な事業者が参入しています。

特定技能1号の在留資格を持つ外国人を受け入れる場合、受入れ機関は本人に対して義務的支援を行う義務を負います。自社でその支援体制を構築することも可能ですが、要件を満たせない場合や実務負担を軽減したい場合は、登録支援機関に支援業務を委託することができます。委託した場合、受入れ機関は支援義務を果たしたことと同等に扱われます。

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2. 義務的支援10項目

特定技能1号外国人に対して実施しなければならない義務的支援は、法令で以下の10項目が定められています。登録支援機関に委託する場合は、これらの全項目を委託することが義務とされています(一部のみの委託は不可)。

  1. 事前ガイダンス:就労・生活に関する必要な情報(業務内容・報酬・労働時間・住居・生活等)を本人の理解できる言語で入国前に説明する。
  2. 出入国時の送迎:入国時に空港等から住居・職場まで送迎する。帰国時も同様に空港等へ同行する。
  3. 住居確保・生活契約の支援:住居の確保を支援し、電気・ガス・水道・インターネット等の契約に必要な手続きを補助する。
  4. 生活オリエンテーション:生活ルール・交通機関・銀行口座・スマートフォン・医療機関・緊急連絡先等を本人の理解できる言語で説明する(8時間以上が目安)。
  5. 公的手続き等への同行:住民登録・税・社会保険・在留資格の更新など行政手続きへの同行や補助を行う。
  6. 日本語学習機会の提供:日本語教室・日本語学習教材の情報提供など、日本語習得を支援する機会を提供する。
  7. 相談・苦情対応:生活・労働に関する相談や苦情を、本人の理解できる言語(母国語対応)で受け付け適切に対応する。
  8. 日本人との交流促進:地域の自治会活動・日本人との交流イベント等への参加を促進し、社会統合を支援する。
  9. (非自発的離職時の)転職支援:受入れ機関の都合による離職(解雇・事業廃止等)の場合、他の受入れ機関への就職を支援し、関係機関への情報提供を行う。
  10. 定期面談・行政機関への届出:本人および職場の上司・責任者と定期的に面談(3か月に1回以上)し、問題がないか確認する。入管庁への定期届出も行う。

ポイント:登録支援機関への委託は「全項目委託」が原則です。一部の支援だけを委託し、残りを自社で行うという分割は認められません。ただし、自社で全支援を行ったうえで一部の業務支援を別の機関から受けることは別途可能です。

3. 費用相場

登録支援機関への委託費用の相場は月額2〜3万円/人(年間24〜36万円)です。支援委託費は特定技能外国人1名につき毎月発生するランニングコストであり、採用初年度から計上する必要があります。

費用項目 目安額 備考
月額支援委託費 2〜3万円/人・月 全10項目フルサポートが基本
年間合計(1名) 24〜36万円 在留期間中ずっと発生
初期設定費・登録料 0〜5万円程度 機関によって異なる
住居確保サポート(別途) 2〜10万円(都度) 月額に含まれる機関もあり

複数名を同時に受け入れる場合は、1人あたりの月額が若干下がる「ボリュームディスカウント」を設けている機関もあります。長期契約(1年以上)で優遇される場合もあるため、見積もり取得時に確認してください。

なお、登録支援機関への委託費は受入れ機関が全額負担するものです。特定技能外国人の給与から天引きしたり、本人に負担させたりすることは禁止されています。

4. 自社支援との違い・委託判断の目安

受入れ機関は登録支援機関に委託せず、自社で義務的支援を実施することも可能です。ただし自社支援を行うには、以下の要件を満たす必要があります。

義務的支援の具体的な内容や支援計画の策定手順については、特定技能の採用手続きの流れ【企業向け2026年版】で詳しく解説しています。

自社支援の要件

比較項目 自社支援 登録支援機関に委託
費用 直接費用は不要(人件費・通訳費等は発生) 月2〜3万円/人(年24〜36万円)
多言語対応 自社で確保が必要(難易度高) 機関が母国語対応
届出・書類業務 自社で対応(行政書士等に依頼も可) 機関が代行
実績要件 過去2年の在留外国人管理実績等が必要 不要
適合ケース 大企業・外国人採用実績が豊富な企業 初めての受入れ・中小企業

実態として、中小企業の多くは社内に多言語対応できる担当者を確保することが難しく、定期面談・届出の実務負担も大きいため、登録支援機関に委託するケースが圧倒的多数です。逆に外国人採用の実績が豊富な大企業では、自社内に支援担当者を配置して委託費を節約するケースもあります。

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5. 選び方のポイント

全国に約9,000機関ある登録支援機関の中から自社に合った機関を選ぶには、以下の6点を確認することをお勧めします。

① 対応分野の実績

登録支援機関によって得意とする分野が異なります。農業・介護・製造など、自社が採用しようとしている分野での受入れ支援実績が豊富かを確認してください。実績のない分野では、支援の質にばらつきが生じる可能性があります。

② 多言語対応の言語数・品質

採用予定の外国人の国籍・母国語に対応できるか確認が必要です。ベトナム語・インドネシア語・フィリピン語(タガログ語)・ミャンマー語など、主要な送り出し国の言語に母国語レベルで対応できるかが、支援の実効性を左右します。

③ レスポンスの速さ・対応時間

外国人本人から緊急の相談が入った際の対応時間・対応可能な曜日・時間帯を確認してください。深夜・休日対応が可能かどうかは、緊急時の安心感に直結します。

④ 定着支援・メンタルサポート

義務的支援10項目をこなすだけでなく、外国人が職場に定着して長く働けるよう、きめ細かいサポートを行っているかを確認してください。定着率の高い機関は、採用後の離職リスクを抑える効果があります。

⑤ 料金の透明性

月額費用に含まれるサービスの範囲を明確に確認してください。住居確保・在留更新代行・行政書士費用などが別途請求になる機関と、月額に含まれる機関では、実際の総コストが変わります。契約前に費用の全貌を把握することが重要です。

⑥ 届出の正確さ・遵法意識

入管庁への定期届出・随時届出に不備があると、受入れ機関も連帯して責任を問われる可能性があります。届出業務の経験と正確さ、コンプライアンス体制を確認してください。口コミ・紹介・実績件数なども参考になります。

6. よくある質問

登録支援機関への委託は義務ですか?
義務的支援の実施は受入れ機関の義務ですが、登録支援機関への委託は義務ではありません。自社が所定の支援体制要件(支援責任者・担当者の選任、中長期在留者の支援実績等)を満たせば自社で行うことも可能です。ただし中小企業の多くは体制整備が難しいため、登録支援機関に委託するケースが大半です。
登録支援機関の費用相場はいくらですか?
登録支援機関への委託費用の相場は月額2〜3万円/人(年間24〜36万円)です。機関によって価格体系は異なり、人数割引や契約期間による割引を提供しているところもあります。義務的支援の全10項目をカバーする「フルサポート」と、一部項目のみの「部分委託」では費用が変わる場合があります。
登録支援機関は全国にどのくらいありますか?
2026年時点で出入国在留管理庁に登録されている登録支援機関は全国約9,000機関です。行政書士事務所、人材会社、NPO法人、農業協同組合など多様な事業者が登録しています。地域によって対応機関数に偏りがあるため、自社の所在地・採用分野に対応した機関を事前に確認することが重要です。
登録支援機関への委託費は外国人本人に負担させてもよいですか?
いいえ。登録支援機関への委託費は受入れ機関が全額負担するものです。特定技能外国人の給与から天引きしたり、本人に負担させたりすることは禁止されています。
登録支援機関を選ぶときは何を確認すればよいですか?
対応分野の実績、採用予定者の母国語に対応できる多言語対応の品質、緊急時のレスポンスの速さ・対応時間、定着支援・メンタルサポートの充実度、料金の透明性、出入国在留管理庁への届出の正確さ・遵法意識の6点を確認することをお勧めします。
本記事は一般的情報であり個別の法的助言ではありません。最新の制度は出入国在留管理庁の公表情報をご確認ください。出典:出入国在留管理庁。費用はあくまで目安であり、実際の費用は個社の条件・委託先等により異なります。