特定技能の採用手続きに潜む雇用リスクと対策
【企業向け2026年】

公開日:2026年7月7日 | 最終更新:2026年7月7日 | 出典:出入国在留管理庁・法務省 | 外国人採用ナビ編集部(株式会社MRI)

📌 この記事のポイント
  • 特定技能の採用手続きには、在留資格・就労範囲の確認不足や在留期限切れから生じる「雇用リスク」があり、受入れ機関(企業)側も責任を問われ得る。
  • 不法就労助長罪(入管法第73条の2)は、外国人が不法就労であることを「知らなかった」場合でも、確認を怠る過失があれば処罰を免れないとされる。
  • 採用時は在留カードの原本確認・就労可否と在留期限の確認・失効情報照会を行い、雇用契約と実際の業務を許可された業務範囲に一致させることが重要。
  • 採用後は在留期限・更新・各種届出を一元管理する運用体制を整え、判断が難しい複雑な案件は申請取次を行う行政書士等の専門家に確認する。

1. 採用手続きに伴う雇用リスクの全体像

特定技能外国人の採用では、費用や手続きの流れだけでなく、手続きの各段階に潜む「雇用リスク」を把握しておくことが欠かせません。在留資格の確認不足、就労できる業務範囲の誤認、在留期限の管理漏れなどは、外国人本人だけでなく受入れ機関(企業)側の法的責任につながるおそれがあります。

本記事は、採用の「相場・費用」や「対象分野」ではなく、採用手続き × 雇用リスク × 採用後の適正運用という角度に絞って解説します。制度全体は「特定技能の採用ガイド【企業向け】」、手続きの具体的な流れは「特定技能の採用手続きの流れ」、費用相場は「特定技能の採用費用」をあわせてご覧ください。

2. 不法就労助長罪とは(入管法第73条の2)

不法就労助長罪は、事業主などが外国人の不法就労を助長した場合に問われる罪です(出入国管理及び難民認定法 第73条の2)。就労資格のない外国人を働かせる、許可された範囲を超える業務に就かせる、在留期限を過ぎた外国人をそのまま雇用し続ける、といった行為が該当し得ます。

従来の法定刑は「3年以下の懲役又は300万円以下の罰金(併科あり)」とされてきましたが、近年の法改正で罰則が強化される方向にあり、法人にも両罰規定が適用され得ます。罰則の具体的な内容・上限や施行時期は改正の状況により変わるため、最新情報は出入国在留管理庁・法務省の公表資料で必ずご確認ください。

「知らなかった」では免れません。不法就労助長罪は、外国人が不法就労であることを事業主が知らなかった場合でも、在留カードの確認を怠るなどの過失があれば処罰を免れないとされています(同条第2項の趣旨)。「外国人であると気づかなかった」「確認していなかった」という説明は、原則として通用しません。だからこそ、採用時の確認と採用後の管理が企業を守る有効な防御になります。

3. 採用手続きで陥りやすい5つのリスク

リスク1就労できない在留資格のまま就労させる

留学・家族滞在などは原則として就労が認められていません(資格外活動許可の範囲を除く)。特定技能への在留資格変更・認定が済む前に就労を開始させると、不法就労に該当するおそれがあります。就労開始は在留資格の許可後が原則です。

リスク2許可された業務範囲を超えて働かせる

特定技能は分野・業務区分ごとに従事できる業務が細かく定められています。許可された範囲外の業務に就かせると、資格外活動や不法就労に該当するおそれがあります。配置転換・兼務の際は、業務が運用要領の範囲内かを再確認してください。対象業務の範囲は「特定技能の対象分野一覧」で確認できます。

リスク3在留カードの確認不足・偽変造の見落とし

在留カードの原本を確認せず、コピーや自己申告だけで採用すると、失効カードや偽変造カードを見落とすおそれがあります。氏名・在留資格・在留期限・就労の可否・資格外活動許可の有無を原本で確認し、番号の失効情報も照会することが推奨されます。

リスク4在留期限の更新漏れ・期限切れ就労

在留期限を過ぎて就労を続けると、不法残留・不法就労に該当します。更新手続きは期限に余裕をもって進める必要があり、期限管理を怠った受入れ機関も責任を問われるおそれがあります。特定技能1号は在留期間が1年・6か月・4か月のいずれかで付与されるため、更新のタイミング管理が特に重要です。

リスク5各種届出の漏れ・遅延

受入れ機関には、四半期ごとの定期届出(受入れ状況・支援実施状況)や、退職・住所変更等が生じた際の随時届出が義務づけられています。届出の漏れや虚偽報告は改善命令・業務停止命令等の行政処分の対象になり得ます。手続きの詳細は「特定技能の採用手続きの流れ」をご覧ください。

4. リスクを防ぐ採用時のチェックポイント

採用手続きの段階で、以下を確認することがリスク低減につながります。

受入れ企業側の要件は「特定技能の受け入れ要件【企業側の条件】」、支援体制の選び方は「登録支援機関とは?費用・選び方」で確認できます。

採用経路や費用の目安を押さえたうえで、リスクの少ない採用計画を立てましょう。

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5. 採用後の適正な在留管理・運用

雇用リスクは採用時だけでなく、採用後の運用段階でも発生します。特に在留期限の管理漏れは、悪意がなくても不法就労助長罪のリスクに直結します。次の運用を継続的に行うことが重要です。

在留期限・更新・各種届出を担当者の記憶や個別のExcelだけで管理していると、担当者の異動や人数増加で抜け漏れが起きやすくなります。同じMRIグループの在留期限・更新・届出をまとめて管理できる在留管理クラウド〈企業向け〉(無料)を使うと、期限のアラートや届出の管理を一元化でき、うっかり期限切れによる不法就労リスクの低減に役立ちます。

6. 複雑・グレーな案件は専門家へ

就労可否や業務該当性の判断が難しいケース、在留資格の変更・更新が不許可となるリスクがあるケースなど、判断がグレーな案件は自己判断せず、申請取次を行う行政書士や弁護士などの専門家に確認することをおすすめします。在留資格の可否は審査機関の判断によるものであり、事前に専門家の確認を得ることが、結果として就労空白や不法就労リスクの回避につながります。

特定技能の採用に対応する人材会社・登録支援機関のご紹介をご希望の場合は、下記の関連ページからご相談いただけます。

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7. よくある質問

外国人が不法就労であることを知らなかった場合、企業は責任を問われますか?
不法就労助長罪(入管法第73条の2)は、外国人が不法就労であることを知らなかった場合でも、在留カードの確認を怠るなどの過失があれば処罰を免れないとされています。『知らなかった』は原則として通用しないため、採用時の在留資格・就労可否の確認が重要です。罰則の具体的内容や施行時期は改正状況により変わるため、最新情報は出入国在留管理庁の公表資料でご確認ください。
特定技能外国人が従事できる業務の範囲を超えて働かせるとどうなりますか?
特定技能は分野・業務区分ごとに従事できる業務が定められており、許可された範囲を超える業務に就かせると資格外活動や不法就労に該当するおそれがあります。受入れ機関側も責任を問われ得るため、雇用契約と実際の業務内容を運用要領の範囲内に一致させ、配置転換時は該当性を再確認してください。
採用時に在留資格をどのように確認すればよいですか?
在留カードの原本で、在留資格の種類・在留期限・就労の可否・資格外活動許可の有無を確認します。あわせて出入国在留管理庁の在留カード等番号失効情報照会で、提示されたカードが失効・偽変造でないかを確認することが推奨されます。特定技能への変更・認定が必要な場合は、就労開始前に在留資格の許可を得ていることを確認してください。
在留期限の更新を忘れて就労を続けるとどうなりますか?
在留期限を過ぎて就労を続けると不法就労・不法残留に該当し、外国人本人だけでなく、期限管理を怠った受入れ機関も不法就労助長罪などの責任を問われるおそれがあります。在留期限・更新時期・各種届出を一元管理し、更新手続きを余裕をもって進める体制の整備が重要です。
判断が難しい複雑な在留資格のケースは誰に相談すればよいですか?
就労可否や業務該当性の判断が難しいグレーな案件は、申請取次を行う行政書士や弁護士などの専門家に確認することをおすすめします。在留資格の可否は審査機関の判断によるもので、当社(株式会社MRI)は行政書士・弁護士ではなく、在留資格申請の代理・書類作成・申請取次は行いません。実際の手続は提携の申請取次行政書士/弁護士が受入れ企業との直接の契約に基づき承ります。
採用したら、次は在留期限の管理

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当サイト(株式会社MRI)の役割について
当社(株式会社MRI)は行政書士・弁護士ではありません。在留資格申請の代理・書類作成・申請取次は行わず、実際の手続は提携の申請取次行政書士/弁護士が、受入れ企業との直接の契約に基づき承ります(当社は当該受任契約の当事者ではありません)。在留資格の可否は審査機関の判断によるもので、許可を保証するものではありません。本記事は一般的な情報提供であり、個別の法的助言ではありません。人材のご紹介は、許可を受けた人材会社・登録支援機関・行政書士等の専門事業者をご案内するもので、当社は職業紹介を行う事業者ではなく、職業紹介自体は許可を受けた当該事業者が行います。当社はご紹介に際し、人材会社・登録支援機関等から固定の送客手数料・広告掲載料を受領する場合があります(提携の行政書士・弁護士から紹介の対価は受領しません)。この送客手数料・広告掲載料は固定額であり、採用の成否・採用人数・成約に連動する成果報酬ではありません。詳しくは利用規約をご覧ください。
本記事は一般的情報であり個別の法的助言ではありません。不法就労助長罪の罰則内容・施行時期を含む最新の制度は出入国在留管理庁の公表情報をご確認ください。出典:出入国在留管理庁・法務省。